学校司書@非常勤

とある小学校の図書室に生息する、学校司書。難しいこと語れません。絶滅しかかってます。

学校司書の夏休み ~『見上げた空は青かった』読了~

<スポンサードリンク>

夏休みも後半戦。


今年はすっかりだらけすぎてしまい、休み明けが怖いです。あぁ...。


普段より家にいるせいか、子供とのバトルも多く...いったいいつになったら長い反抗期は終わるのだろうと母はすっかり疲れはててしまいました。まぁ、ほかにもすったもんだがあったのですが。



そこで、逃げることにしました。


私の逃げる場所といえばここしかないんだよなぁ。


図書館!


児童書コーナーで、何も考えず題名から読んでみたい本を手当たり次第抱えて借りてきました。


私が現実逃避できるのは、やはり読書しかないのです。


今回手にした本は

『見上げた空は青かった』

見上げた空は青かった

小手鞠るりさんの『見上げた空は青かった』です。

ユダヤ人への迫害が厳しくなるドイツで、親と離れ、ドイツ人の戦争孤児といつわり、妹と二人で隠れ家にくらすユダヤ人の少女、ノエミ。
空襲が激しくなった東京から、家族と離れ、田舎に疎開している日本人の少年、風太。
戦争末期を生きる二人の少女と少年が見たものは?
Amazon内容紹介より


表紙のかわいらしい少女の絵に惹かれて借りたのですが、裏面はやや物憂げな顔の少年の姿が。戦争ものだったのかと意外に思いながらも、気がつけば一気読みしていました。



物語は戦時中のドイツと、日本を交互に進んでいきます。


ユダヤ人の少女ノエミは、ナチスのゲシュタポから逃れるため両親から離れ、妹のロザンナと二人、ドイツの隠れ家で身を潜めていました。


辛い潜伏生活の中で、思い出すのは部屋に置き忘れてきてしまった、宝物のウサギのぬいぐるみ『ミミちゃん』のこと。
ノエミは、空想の中で『ゆうかんな少年』がきっと助けに来てくれてると信じ、家族とミミちゃんに再会できる日を夢見て、堪え忍んでいました。



同じ頃、遠く離れた日本では。五年生の風太が疎開先で、知らない外国の少女の夢を見ていました。その少女の声は、まるで幼い頃亡くなった妹の美海子のようで、風太は懐かしさに浸ります。けれど夢から覚めた世界は、ひもじい疎開先での暮らしという現実でした。


空腹と寂しさを抱えているある日、母から送られてきた荷物の中には美海子が大事にしていた、ウサギのぬいぐるみが入っていました。『いざというときのため』にと、送られたぬいぐるみのその意味を、風太はやがて知ることになるのですがー


終戦末期、遠く離れた場所で堪え忍ぶ少年と少女が、同じ思いで互いに励ましあいリンクしていきます。収容所での場面は児童書ということてマイルドに書かれていますが、やはり読んでいて胸が痛くなりました。フィクションですが、二人に起こった出来事は実際の歴史の中ではもっともっと凄まじく残酷だったことでしょう。


終戦後に二人が見上げた空は、どんなに青かっただろうか?


あとがきには著者から子供達への深いメッセージが書かれていました。『なぜ戦争がなくならないのか?』という問いを著者は物語という形で、子供達に寄り添うように伝えています。
小手鞠さんの本を他にも読んでみたくなりました。



それぞれのエピソードが短いので、大人が読むとやや物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、中学年くらいからでも読みやすいかなぁと思います。夏休みのこの時期に読むのにぴったりな本でした。



やれやれ、しばしの現実逃避でした。