学校司書@非常勤

とある小学校の図書室に生息する、学校司書。難しいこと語れません。絶滅しかかってます。

『髪がつなぐ物語』髪の毛を寄付するということ。

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寒いですねー。



まだ路面はツルツルですが、今週末も公共図書館で情報収集してきましたよ。




児童書の新刊本コーナーで、こんな本を借りてきました。


『髪がつなぐ物語』
髪がつなぐ物語 (文研じゅべにーる・ノンフィクション)

長くのばした自分の髪を寄付する「ヘアドネーション」寄付された髪はていねいに処理をされて、「医療用ウィッグ」として、病気や、その治療によって髪の毛を失ってしまった子どもたちのために使われる。だれでも参加できるこの活動を、日本でリードするNPO、JHD&Cのとりくみと、自分の髪を寄付する子どもたち、ウィッグを受けとる子どもたちの思いにせまる。

「BOOK」データベースより


『ヘアドネーション』とは髪の毛を寄付する、ボランティアの事です。



以前から新聞の記事などで見たことがあって元々興味はありました。
最近では柴咲コウさんやベッキーさんなどが、長い髪を切って寄付したことで話題にもなりましたしね。


この本は、寄付された髪を使った『医療用ウィッグ』を子ども達に手渡す活動をしている団体、JHD&C(ジャパンヘアドネーション&チャリティ)での取り組みを中心に書いています。児童向けのノンフィクションです。



綺麗なサラサラヘアーにハサミを入れる瞬間の写真が、印象的です。


髪がつなぐ物語


プロローグは『そろそろ長い髪の毛を切ろうかな』と思っていた、少女の話から始まります。



『美空ちゃんが髪を切ったら、おばあちゃんにくれる?』



美空ちゃんはおばあちゃんに言われて、自分の髪の毛を誰かにあげる。という行為に興味を持ちはじめ色々調べます。
そして、大阪のとあるNPO法人が『ヘアドネーション』という取り組みを支援している事を知ります。


  • 寄付できる髪の長さは、31センチ以上
  • 一つのウィッグを作るのに、20~30人分の髪の毛が必要
  • アメリカでは当たり前に行われているボランティア
  • 献血と違い 年齢や性別に関係なく子どもでもできるということ


事務局がある、ヘアサロンに足を運んだ美空ちゃんは、代表の渡辺さんから丁寧に教えてもらいました。






ヘアドネーションを必要としている子どもには様々な事情があります。


脱毛症を発症し髪を全て失った子。抗がん剤の治療や、ストレスで髪の毛が抜けてしまった子。



物語は、寄付される側、寄付する側の子ども達、活動に興味を持ち取材する放送部の高校生らのエピソードを中心に進んでいきます。



一番印象に残ったのは、寄付するために男の子なのに髪を伸ばしたサッカー少年、仁くんのエピソードでした。



ある時この『ヘアドネーション』を知った仁くんは、もっと色んな人に知って欲しい。という純粋な気持ちで髪を伸ばし始めました。



『女の子みたい』『オカマ』など心ない言葉でバカにされることもありましたが、自らの意思で髪を伸ばし続け、見事寄付することができました。しかも一度だけではなく、二度も。二回目は自由研究としてまとめあげます。



そして仁くんのその行動は、やがて周りの人にも伝染していきます。



なんて強くて、頼もしいのだろう。長い髪の後ろ姿の写真が素敵です。




無理して寄付する必要は全くないんだよ。本当に切りたいと思ったときに、寄付してくれればいいいんだ。切った髪の毛は、本来ならゴミになるんだからね


と渡辺さんに言われた美空ちゃん。最後に覚悟を決めます。






まとめ


私の父は10年前に癌で亡くなりました。

抗がん剤治療が進むにつれ、髪の毛はどんどん抜けていき、最期は私達家族の前でさえいつでも帽子を被っていました。


今思えば、髪が抜けていく姿を見られることで


『かわいそう。』


と思われたくなかったのかもしれません。


又、周りの人が気を使わないように、との優しい配慮の気持ちからでもあったのかなと。




いつも通りの日常を『笑顔』で過ごすために、これからもヘアドネーションの活動が広がっていくといいなぁと、この本を読んで思いました。字も大きめでふりがなもついているので、中学年くらいから読めると思います。こんな本が課題図書に選ばれたらいいのになぁ...。



残念ながら自分はショートカットなのでこの活動にすぐには貢献できません。
でも『髪を切ることでできるボランティアがあるんだよ。しかも子どもでも出来るんだって!』と学校で伝えることはできそうです。機会を見つけて紹介したいと思った本でした。




最後に、この本の著者印税はこのNPO法人『JHD&C』に全額寄付されるそうです。




まさに、『髪がつなぐ物語』が『紙がつなぐ物語』に。
素敵なしめくくりでしたよ。



www.jhdac.org
Japan Hair Donation & Charity(ジャーダック)|ヘアドネーションを通じた社会貢献活動