学校司書@非常勤

とある小学校の図書室に生息する、学校司書。難しいこと語れません。絶滅しかかってます。

本は、どんな時も優しく寄り添うということ。

<スポンサードリンク>

4年ぶりの大雪でしたね。


f:id:libook:20180123120913j:plain


昨日は学校でも先生方は早々に帰っていきました。
北国育ちの自分にとってはなんだか懐かしいぐらい。今朝は朝早くから除雪作業に追われていたようです。ご苦労様です。



さてさて久しぶりに本の感想です。
だいぶ前に予約していたのですが、やっと回ってきたので一気に読んでしまいました。

『アウシュヴィッツの図書係』

アウシュヴィッツの図書係

アウシュヴィッツ強制収容所に、囚人たちによってひっそりと作られた“学校”。ここには8冊だけの秘密の“図書館”がある。その図書係に指名されたのは14歳の少女ディタ。本の所持が禁じられているなか、少女は命の危険も顧みず、服の下に本を隠し持つ。収容所という地獄にあって、ディタは屈することなく、生きる意欲、読書する意欲を失わない。その懸命な姿を通じて、本が与えてくれる“生きる力”をもう一度信じたくなる、感涙必至の大作!
「BOOK」データベースより

ホロコーストの象徴ともいえるアウシュヴィッツ。
歴史として理解しつつも、実際そこに収容された人々がどのような生活を送っていたのか正直あまり知りませんでした。



この物語は9歳の時に収容所に送られ、14歳で解放されるまでのディタの物語です。
ディタは収容所内で禁じられた8冊の本を隠し、図書係として守り抜きました。
フィクションですが、ディタ自身の経験を元に書かれていて、実在する歴史上の人物が出てくるのでノンフィクションにも思えてしまいます。



国際監視団から実態を隠すために作られた家族収容所の中で、ディタはリーダーのヒルシュからこの『図書係』に任命されます。
『図書係』と言うと軽く聞こえてしまいますが、そこでの『図書係』は命がけの仕事です。
もし万が一見つかってしまえば、容赦なく命が奪われてしまいます。
服の内側にポケットを作ってもらって隠したり、冷酷非情なドイツ兵やいつか来る『特別措置』に怯えながらも、命がけで本を守り抜きます。



1945年に解放される歴史を知りながらも、読んでいてつい




早く、早く戦争が終わって・・・。


と思わずにはいられませんでした。



多感な時期の少女が経験した現実は、あまりにも、あまりにも重いです。
人を物のように選別し、虐殺する。読んでいて何度も胸が苦しくなりました。
信じられないような人体実験が行われていたことも、この本で知りました。




戦争は有無を言わさず、人の尊厳を奪うものなのかもしれません。
そして、人を悪魔にも変えてしまう。



『戦争なのよ、エディタ。戦争なの。』



お気に入りのウルトラマリンブルーのブラウスに、「ユダヤ」の印である黄色いワッペンを母親に縫い付けられたディタ。
表紙の冷たそうなはだしの少女の絵から、彼女の悲しみが伝わってきます。




生か死かの極限の状況の中で、本はいつもディタに寄り添っていたのだなぁ。
本を読んでいる間だけは『自由』だった。



まさに「本の力」を感じる。そんな物語でした。
すごいな。
『アンネの日記』に次いで、読むべき本、かもしれない。



著者のあとがきには、登場人物(実在する人物)のその後も詳しく書かれていて興味深かったです。

ディタの体験が書かれている本として、こちらも読みました。

テレジンの小さな画家たち―ナチスの収容所で子どもたちは4000枚の絵をのこした

テレジンの小さな画家たち―ナチスの収容所で子どもたちは4000枚の絵をのこした

ディタや収容所にいた子どもたちが描いた絵。ディタ本人の写真も載っています。
こちらの本は字も大きめでふりがなもついているので、小学生から読めると思います。
ホロコーストの背景など、とても分かりやすく書かれているので、機会をみつけて子供たちに紹介したいなぁ。