学校司書@非常勤

とある小学校の図書室に生息する、学校司書。難しいこと語れません。絶滅しかかってます。

怖い!けど読みたくなる『もじゃもじゃペーター』

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読書週間もあと少しで終わります。


今年は沢山借りてくれた子に栞をプレゼントすることにしたのですが、予想を上回る貸出冊数でびっくりしている所です。極力家では持ち帰り仕事をしないようにしているのですが、間に合わないのでせっせと内職のように栞を作成しております。あともう少し頑張らないと。


さて、読み聞かせの本を探しに図書館に行ってみたら懐かしい絵本をみつけてしまいました。


もじゃもじゃペーター (ほるぷクラシック絵本)
ハインリッヒ・ホフマン作の『もじゃもじゃペーター』です。子供の頃読んだことがあったのを思い出して借りてしまいました。本を読んだことが無くても、この独特の絵を見たことがある人は多いんじゃないんでしょうか?

ぼうぼうあたま―ちいさいこどものおもしろいはなしとおかしなえ (子どもの近くにいる人たちへ)
『ぼうぼうあたま』という題名でも出版されています。

もじゃもじゃペーター
こちらは飯野和好さんが絵を描いているもの。少し毒々しさが和らいでいるような。

みてごらん わあ
もじゃもじゃペーター だ
もう一年も りょう手のつめを
きらないんだ
かみのけだって
くしを
いれない
わぁ きたないな みんながさけぶ
もじゃもじゃ ペーター!
『もじゃもじゃペーター』より


表紙に描かれているこのなんともへんてこりんな格好をしたペーター。実は冒頭しか出てきません。
いったい何者なのか?謎のまま読み進めていくと、なんとも後味の悪いお話が次々と語られていきます。

『もじゃもじゃペーター』とは

『もじゃもじゃペーター』は、1845年にハインリッヒ・ホフマンにより発表された、ドイツの子供向け絵本である。
本書は韻を踏んだ文章による挿絵付きの10作の物語から構成され、そのほとんどは子供が主人公である。
どの作品でも、不品行とその結果による悲劇の顛末が誇張された表現で描かれ、明確な教訓が示される。
ウィキペディアより


医者であったホフマンが、三歳の息子のプレゼント用に納得出来る本が見つからなかったので、自ら作った本だそう。それにしてもすごいお話をプレゼントにしたものです。



出てくるお話はどれも教訓、というよりもホラーに近いです。小さな子供にはトラウマになるのでは。と心配になるぐらい残酷なお話ばかりなのですが、怖いもの見たさでページをめくる手が止まらないのですよー。


中でも特にゾクゾクするお話がこの2つ。

『とてもかなしいマッチのはなし』

留守番をしていた少女パウリンヒェン。
ふとマッチをみつけて、思わず火をつけてみたくなります。
そばで見ていた二匹の猫は『きみがもえちゃうよ!』と必死に忠告するのですが、結局少女はマッチをすってしまいます。
次第に火は少女の服に燃え移り、髪の毛が燃え、最後にはとうとう灰だけになってしまいます。

残ったのはきれいな靴一足だけ。

猫達は涙が川になるぐらい泣きじゃくり...という所で話は終わってしまいます。

『おやゆびしゃぶりのはなし』

きちんとお留守番をしているように言われたコンラート。
母親は、特に指しゃぶりをしてはいけないよ。しゃぶったら仕立て屋さんがやって来てハサミで親指を切っちゃうからね。と脅します。

いいつけを守らず、指をしゃぶってしまった少年。

その瞬間...バタン!とドアが開いて、仕立て屋が大きなハサミを持って入ってきてしまいました。
無惨にも少年はじょきじょきと親指を切られてしまいます。

『いやだぁ!』と泣くコントラート。



うーん、怖すぎる。



あまりの残酷さで、出版当時から様々な批判があったそうですが、160年以上も読まれ続けドイツの家庭にたいてい一冊はあるといわれるほど馴染みの絵本とのこと。躾として使われるというよりも、ブラックユーモアとして親しまれてきたのでしょうかね。








『もじゃもじゃペーター』を読んでいると、ふとエドワード・ゴーリーの作品を思い出しました。

悪いことをして罰があたった子どもたちの話

悪いことをして罰があたった子どもたちの話

  • 作者: エドワード・ゴーリー,ヒレア・ベロック,柴田元幸
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2010/12/14
  • メディア: 大型本
  • 購入: 4人 クリック: 8回
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ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで

ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで

エドワード・ゴーリーはアメリカ出身の絵本作家です。緻密な絵が特徴的で、どの作品もブラックな結末が多く、カルト作家として有名です。なかでも『ギャシュリークラムのちびっ子たち』はアルファベットの名前順に子供達がただ悲惨な死を遂げていくという、なんとも後味の悪い話。ホフマンの作品が教訓めいているのに対して、ゴーリーは教訓も何もありません。理不尽にただ子供達が死んでいくだけです。完全にこれは大人向けの絵本です。

絵本ナビでは全ぺージためし読みができます。



賛否が別れそうな内容ではありますが、本の中だからこそ普段は考えられないようなおぞましい世界を体験できるのでしょうね。個人的には独特な世界観が嫌いではないのですが、さすがに子供達には読み聞かせできませんねー。トラウマになっちゃいます。

さてさて、しばし現実逃避できたので頭を切り替えて内職の続きをしたいと思います。



以前紹介した『電話がなっている』もトラウマになりそうなお話です。興味のある方はどうぞ。
www.libook11.com


ぼうぼうあたま―ちいさいこどものおもしろいはなしとおかしなえ (子どもの近くにいる人たちへ)

ぼうぼうあたま―ちいさいこどものおもしろいはなしとおかしなえ (子どもの近くにいる人たちへ)

もじゃもじゃペーター

もじゃもじゃペーター


おしまい。