学校司書@非常勤

とある小学校の図書室に生息する、学校司書。難しいこと語れません。絶滅しかかってます。

『ぐるぐるの図書室』を読んで。ー読書しないと、もったいない。ー

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一昨日の夜から急にアクセスが増えて、何?何?と疑問に思っていたら…気がつかない内に、週間はてなブログに言及をされていたようでびっくりしました。

blog.hatenablog.com

言及されていたのはこの記事です。

www.libook11.com

マイペース更新のゆるゆるブログなのにいいのかしら?となんだか申し訳ない気もしますが、少しでも読んでくれる人がいるのはやっぱり嬉しいものですね。
拙い文章ですが、これからもお付き合い下さるとありがたいです。



さて、今日は最近読んで面白かった児童書を紹介します。


『ぐるぐるの図書室』
ぐるぐるの図書室 (文学の扉)

本が好きでたまらない子も、読書なんて興味ゼロという子も、茜色の貼り紙を見たのなら、放課後、図書室にいらっしゃい。あなたのいまにピッタリな一冊と、めぐりあわせてあげましょう―。豪華絢爛!児童文学のフロントランナーたちが描く“五人五様”のリレー小説。
内容(「BOOK」データベースより)

あらすじ

舞台はある小学校の図書室。登場人物は5年生の子供達です。それぞれがモヤモヤした思いを抱えているとき、不思議な茜色の張り紙が目に入ります。それは

後戻りをしたくてしょうがない人は、放課後、図書室に、来てください。

とか

家に帰りたくない人は、放課後、図書室に来てください。

など。どうやらその子の状況によって見える言葉が違うようなのです。
その言葉に誘われて図書室に行くと、背が高くて髪の長い謎の人物が。(みんな何故かすんなりと多分司書さん?と納得してしまうのですが。そんなに普段の存在感ないのかしら…)そして子供達は『あなたにぴったりの本』を薦められます。その本を開くと不思議な出来事が起こるのですが…。



とここまでは児童書ではよくありがちな展開なのですが、実はこの本、子供達に大人気の作家さん5人がデビュー10周年を記念して集結したアンソロジー本なのがみそ。



その5人はというと


工藤純子(くどうじゅんこ)さん

主な作品は

ピンポンはねる (TEENS’ENTERTAINMENT 3)

ピンポンはねる (TEENS’ENTERTAINMENT 3)

恋する和パティシエール6 月夜のきせき! パンプキンプリン (ポプラ物語館)

恋する和パティシエール6 月夜のきせき! パンプキンプリン (ポプラ物語館)

特に「和パティシエールシリーズ」はお菓子好きな中学年女子に大人気で、いつも貸出中です。

廣嶋玲子(ひろしまれいこ)さん

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂

もののけ屋 三度の飯より妖怪が好き

もののけ屋 三度の飯より妖怪が好き

「ふしぎ駄菓子屋銭天堂シリーズ」は特に高学年に大人気。不思議な駄菓子を食べて巻き起こる出来事から見えてくる人間の本性が、なかなか深くて
大人が読んでも面白いです。

濱野京子(はまのきょうこ)さん

くりぃむパン

くりぃむパン

レガッタ! 水をつかむ (YA! ENTERTAINMENT)

レガッタ! 水をつかむ (YA! ENTERTAINMENT)

「くりぃむぱん」パン好きな私も大好きなお話。これを読むとクリームパンが食べたくなります。

菅野雪虫(すがのゆきむし)さん

天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕 (講談社文庫)

天山の巫女ソニン(1) 黄金の燕 (講談社文庫)

チポロ

チポロ

「天山の巫女ソニン」は落ちこぼれの巫女を書いた長編ファンタジー。

まはら三桃(まはらみと)さん

なみだの穴 (Green Books)

なみだの穴 (Green Books)

白をつなぐ

白をつなぐ

涙を我慢している人の所へ現れるという「なみだの穴」は、疲れているときに読んでつい泣いてしまいました。



と人気の本を書いている作家さん達が、みなさん同じ年にデビューしていたのも驚きでした。
物語は一つのテーマにそっていて、5人が違う物語を書いています。学校図書館が舞台なので司書としてはそれだけでどのお話も面白かったのですが、
この本の最後の部分の「エピローグ」と「スペシャル座談会」が特に良かったのです。


そのエピローグの部分には

本の数だけ、人の数だけ、違った物語があります。
図書室にはあなたにぴったりな本が、必ずあるのです。
たくさんの本の中から、そんな本を見つけ出すのは宝探しのようなものなのかもしれません。
その宝物を探し当てたとき、あなたの人生はきらきらと輝き、ほんの少し、あるいは、とても豊かになることでしょう。


という子供達に向けた素敵なメッセージが綴られていました。

教育の現場ではどうしても「良い本」を手に取って欲しいと思ってしまい、無意識に誘導してしまっていることもあります。先生によっては「今日はこんなテーマの本を借りてね」と決める場合もありますしね。

でも、本来読書は自由なものです。物語が苦手でも、昆虫の本を熟読していて虫博士みたいな子。歴史漫画が大好きで私よりもマニアックな武将をたくさん知っている子。様々です
どんな本だって、その子にとって何かを得るきっかけになれば、それはその子にとって「良書」になる。そんな風に選択肢を広げてあげることに寛容になることも大事。と改めて気づかせてくれました。



そして最後に、「スペシャル座談会」のページで濱野京子さんがこんなことを書いています。

「本は読まなきゃいけないものではなく、読まなくても生きていけます」
「それでも、読書をしないのは、もったいない」


学校司書として自分が仕事をする意味。まさに「これ」だったのです。
ここ最近、待遇面からこの仕事について色々と悩み中なのですが、久々にズドンと腑に落ちてしまいました。




読まないなんてもったいない。
もしかしたらそこにすごい宝物が眠っているかもしれないのに。



だから、子供達と本を繋いであげたいのだなぁと。
その場所を作りたいのだなぁと。
この仕事を続けたいのだなぁと。



改めて、強く思いました。




さぁて。




どうしようか。




悩みが深くなってしまいました。