学校司書@非常勤

とある小学校の図書室に生息する、学校司書。難しいこと語れません。絶滅しかかってます。

夏におすすめ番外編『電話がなっている』~トラウマになりそうな背筋が寒くなるお話~

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図書室でなにげなくみつけたこの本。
『だれかを好きになった日に読む本』(きょうはこの本読みたいな)を知っているだろうか。

だれかを好きになった日に読む本 (きょうはこの本読みたいな)

だれかを好きになった日に読む本 (きょうはこの本読みたいな)

シリーズで「ケンカした日に読む本」「うそをついた日に読む本」などがあり、シチュエーションに合わせた子供向きのアンソロジーだ。
いつも本棚の下のほうにあるこれらの本は、分厚いせいか残念ながらほとんど借りられることがない。
ましてや「だれかを好きに~」というタイトルがついたこの本は、シャイな子供達が多いこの学校では恥ずかしがって手に取りづらいのだろうと思う。

評判を調べてみると、ネット上では「子供の頃読んでトラウマになった本」として結構有名だったらしい。
私は大人になってからたまたま学校でみつけて読んだのだった。そしてこの中の一話「電話がなっている」(川島誠)を読み終えたあと、
あまりに衝撃的な結末に「これって本当に児童書?やばいでしょー。」と驚いたのだ。

ここから先は一部ネタバレになります。











あらすじ

中学3年生の期末テストの結果によって、全ての人がランクで分けられ、将来を決められてしまう世界。
主人公と少女は、恋人同士でいつか幸せな家庭を築くことを夢みていた。
しかしそんなある日、少女に初潮が来る。「早く大人になってしまいたい」と少女は音楽教師と関係を持ってしまう。
そしてその次の日には主人公とも関係を持つ。
その後、期末テストの2か月前に少女は事故で足を切断することになった。
身体障がい者は高校に進学することを許されないシステムで、少女は一番下のランクにされてしまう。
一番下のランクになること。-それは食糧不足の人類の為にある役割を担うこと。あまりに過酷で残酷な運命を受け入れなければならないことを意味する。
主人公は恋人と同じランクになろうと、テストを「白紙」で出そうと思う。が結局できず、一人テストに合格してしまう。
合格発表の夜、主人公の家の電話が鳴る。
主人公は、その電話が少女からだとわかっているが電話に出ることができない…。
電話が鳴っている。

性描写がリアル

音楽教師と安易に関係を持つ少女にも違和感を感じるのだが、主人公の前で「張り付いたナプキンを剥がす」シーンが生々しくて児童書なのに???
なんで?と疑問に思ってしまった。「サロンパスのようなナプキン」という言葉が読んだ後しばらく頭から離れない。いやー確かにそうかもしれないけどさ。少女が自分の股からバリバリナプキンを剥がすシーンなんて、シュールすぎやしませんかね。

ラストで知る事実があまりにも衝撃的

最下層のランクになってしまった人間のたどる結末が…かなりやばい。これ、絶対ホラーでしょ。想像しただけで気持ち悪いし、子供が読んだら絶対トラウマになりそう。いや、大人が読んでも、ひえーだったから。
これでもタイトルは「だれかを好きに」なった時に読む本なのだ。タイトルにだまされて、キュンキュンする事を期待していたら、色んな意味で裏切られるだろう。興味のある人はどうぞ。

ちなみに同じくこの本に収録されている那須正幹さんの「The End Of the World」は個人的にも大好きな話。
実は図書室にあるこちらの本にも「電話が鳴っている」同様収録されている。図書館界では知らない人はいないという、赤木かんこさん編集…。こちらもアンソロジーだけど、なかなか責めてる本。ま、タイトルが『地球最後の日』だからね。
ちなみに曽祢まさこさんは私が子供の頃よく愛読していた本の漫画家。曽祢さんの漫画も収録されている。

地球最後の日 (SFセレクション)

地球最後の日 (SFセレクション)

『The End Of the World』はというと、核に侵された世界で、シェルターの中一人生き残ってしまう少年のお話である。
ラストで物語の中に流れる「The End Of theWorld」を実際に聴きながら読むと
歌詞とメロディのギャップが「地球最後の日」の世界観に本当にぴったりで、もの悲しくなる。
The End of the World

The End of the World

で、文庫も買いました。西島大介さんのイラストも好き。はじめとてもズッコケシリーズを書いた人と同じ作者とは思わなかった。「約束」もブラックな話でなかなか面白いので、イヤミス好きな人にはおすすめ。


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